今から75年前と言うと、1932年のことです。1916年に襲った大洪水を教訓に、この堤防が出来たとの事。建設には5年を要したとか。
オランダ政府観光局のHPによると・・・
北ホランド州とフリースランド州を結ぶ、全長約30kmの大堤防。1932年水害を防ぐため、旧ゾイデル海を締め切る一大工事が行われました。アイセル湖と海を分ける高速道路がまっすぐに大堤防の上を走っています。北ホランド州よりの位置には、展望台と休憩所を兼ねた見学スポットがあります。
(ゾイデル海という言うよりは、発音はザウダー海が近いと思います。意味的には、南方の海。Zuiderzee。一部は現在のアイセル湖)
場所的には・・・

左下の地名のDen Helderは軍港です。五右衛門もここで海軍の訓練を受けました。その右手に延びる一本の直線・・・これが堤防です。
実際には真っ直ぐな部分もあれば、曲がっている部分もあるようです。グーグルでAfsluitdijkで調べると、たくさん写真が出てきます。
さてさて、この堤防のすごいところは海を「締め切り」、海と淡水湖とに分けたこと。それも75年前に。
もちろん漁村がたくさんありましたから、反対はあったことと思います。しかし、人命優勢の立場から堤防は建設されました。
そんな大堤防ですが、75年の間に海水は上がり、「十分な高さ」がないと判明。また50%の部分が安全ではないなど、災害が襲ってきたときに、十分な役割が出来ないとの意見が出てきました。
現在ここは、オランダ政府観光局のHPによると、
アルクマール(Alkmaar、アムステルダム中央駅から直通列車で30〜40分)から、レーワールデン(Leeuwarden、フリースランド州の州都)の間を、インターライナー(INTERLINER)という中距離バスの350番が通っています。所要2時間弱です。これに乗車すると大堤防を渡りながら、壮観な眺めを楽しめます。
となっているように、観光地にもなっていますし、ここが職場・・・にもなっているようです。そこが安全でないとなったので、昨日のセレモニーのあとの政治家やウィレム・アレキサンダー皇太子へのインタビューでは、見直しが必要だとのことでした。
もっと堤防を高くするのはもちろんのこと(2mほど高くする予定)、ほかにも「機能」を持たせる予定だとか。その内容を聞いて、びっくりしました!
確かに銀行のCMを見ていたら、海底に「風車」を設置して、発電をさせているのは分かるのですが、この堤防を利用して、やはり発電をさせるとか。そのやり方は、「海水と真水を混じらせることにより」と言うのです。
詳しい図面などはありませんでしたので、想像になりますが、海水が流れるのを利用して、アイセル湖のほうに海水を流れさせ、そのときに発電用風車のようなものを通らせると、ものすごく大きな電力になるとか。400万世帯分?とか?
が・・・交通省の次官は「アイセル湖の水は大切な資源なので、海水にするのには反対」との事。
これからどのような手直しが必要で、どのくらいの予算が必要になり、どのくらいの期間が掛かるのか・・・などなど話し合われることになります。
予定では2008年には計画の軸が発表になり、それから予算を取り、施工・終了は・・・・2017年ごろとか?気が長くなるほど先のことですが、オランダにとってはとても大切な堤防です。しっかりと手を入れて欲しいです。
でも、海底に風車設置は、大事になりそうですね〜☆
75年も前に、5年もの歳月をかけて出来上がった堤防。そのときにも、海水を取るか、真水を取るかで論議があったことと思います。
75年後の今、電力を取るか、真水を取るか・・・また論議が起きる感じですね。どちらも大切なもの。どちらに軍配が上がるにせよ、私たちの生活にかかわることですから、しっかりと論議をして欲しいです。
でも海底の風車には最初はびっくりしましたよ〜。(^^;;