その時代のオランダは、オランダ語では「VOC」と言われる時代でした。日本語では「東インド会社」と呼ばれているものです。
V=遠い、O=東、C=会社の略です。
そしてこの時代を、「黄金時代」とも呼びます。インドネシアで入手した香辛料を、ヨーロッパまで持って行き、高値で取引をしたわけです。それを現す絵画も多く残っていますね。(オランダ商人がモデルのものですが)
そしてその時の恩恵に、今でも与っていると言うのが五右衛門の意見です。それほどこんなちっぽけな小国のオランダが、世界に名前をとどろかせ、植民地も持ち、裕福になったと言うことらしいです。
そしてオランダを支配していたスペインは、70年戦争の付けを今でも払っていると。それだけ経済を圧迫したこの戦争。オランダよりも大国のスペインは、オランダよりも経済的には貧しいとか。
さてさて、そんな商売上手のオランダですが、日本語の中にもオランダ語は入っているそうです。
どんなものがあるかと言うと・・・
うそ!?それドイツ語でしょ!?って思われそうなもので、「メス」。雄・雌のメスではなく、手術の時に使われるメス。(ドイツ語では「メッサー」)
オランダ語では、「ナイフ」全体を指します。食事に使うナイフもメスであれば、料理をするときに使う包丁類もメス。もちろん手術の時のものもメスになります。
「お転婆」・・・漢字がついているから嘘!!って思えますが、これもオランダ語が語源だとか。
「スコップ」「ケンケン」(オランダ語がそのままではなく、変形)なんかもオランダ語だとか。
また盲腸と言うのも、オランダ語をそのまま翻訳した感じですね〜。オランダ語では、「目の見えない腸」って言いますから。(^^;;
そんな日本語にもなっているオランダ語ですが(あぁ〜、大げさ!)、昨年〜今年はオランダ語にとっては大変な年でした。まぁ〜、今回が初めてではなく、過去にも同じことは行われています。
前回は私がオランダに来る前の1996年とか1997年とかでした。
そして今回・・・。これが大波紋を呼びました。
理由の前に、何が行われたかと言うと、「スペリングの改定」です。「より実際的」に、「より論理的」なスペリングにするというのが、建前と言うか論理なのですが・・・、今年はそれが賛否両論になりました。
前回の改定では、
kado、cadeau・・・KとCの使い分け(他の単語にも有効)
pannenkoek ・・・Nが一個増えました。(^^;;
言っている時には、「パンネンクック」なので、それに合わせた・・・らしいです。
そして今回の改定では、
Middeleeuw・・・middeleeuwとMが小文字になりました。(意味は中世)
・・・boom ・・・「・・・」の部分には、種類を表す単語が来るのですが、単数形であったり複数形であったりしたそうです。それをどちらかに合わせようとして・・・無理が出た模様。(木の名前に使います)
・・・’er ・・・人を表す単語を作る時に、「’」が必要だったり無用だったり・・・。統一性なし!
通常、スペリングの見直しが行われると、「正しいスペリングの本」と言われる通称が「緑の本」と言うものが発売になります。
今回も発売になりました。(これは昨年のうちに発売になったようです。)

しかし・・・この改定に反発をして、というか異論を唱えている出版社や新聞社は、自分達でこれに対抗をした「白い本」と言われるスペリングの本を出版しました。

これがシンボルマークです。発売は、新しいスペリングが執行されてからだったと思います。
そして「こちら」のページにはこの「白い本」に賛同をしている新聞・雑誌・出版社などの名前が並んでいます。(有名どころが多くて、びっくりします!)
つまりは、同じオランダ語の単語であっても、新聞・雑誌や本の出版社によっては、スペリングが違っているのです。
これで困るのは子供達。
学校では先生達が、「緑の本」で確認をしながら、スペリングを勉強したり、単語を覚えていくわけですが、趣味で買う雑誌では・・・スペリングが違う!と言う現象が起きているわけです。
しかし・・・「試験」では・・・公な試験では「緑の本」のスペリングが基本ですので、自分が慣れ親しんでいるスペリングでは、「だめ〜〜!!」となるわけです。
そしてこのスペリングは、オランダだけではなく、お隣のベルギーのフラマン語地域にも有効なのです!!
緑が白に吸収されるか・・・それとも、緑が白を吸収するのか、いつまでこの2色時代が続くのかは分かりませんが、面倒なことになったのは事実です。
他の言語でも、スペリングの見直しって・・・しているのでしょうか??
日本での、当用漢字の改正みたいなもんですかね? スペリングの見直しって。
それと有名どころでは、確か「博多どんたく」の「どんたくは」、”Zondag”が訛ったものでした。 さすが博多、出島に近かった。
改定後は、当然今まで使っていたスペルは使えなくなるんですよね??
何だかちとややっこしいぃ〜♪(汗)
慣れるまで時間が掛かりそうっ!!
ノルウェーでも、政府によるスペルの検討がされることがあるみたいですよ。友人が卒論を書いた年にスペル見直しがあったようで、新しい規則にのっとって卒論を書かなくてはならず、大変だったと言っていました。
日本語や中国語は外来語であったとしても固有の文字で表現されるし発音もだいぶ元とは異なりますが、オランダ語、ノルウェー語あたりだと完全に丸ごとそのまま音もスペルも輸入しちゃう形になりますもんね。危機感が違うのかな〜。
昨日までは、Middeleeuwと書かないと駄目だったのが、今日からはmiddeleeuwと書かないと駄目だとか・・・人生の中で数回経験するこのスペリングの改定。大人であれば、理解できることでも、子供達にとっては・・・年齢に関係なく・・・大変なことだと思います。
スペリングを見直す会の人たちは、「簡単になったはず」とか「論理的になったはず」と言うけれど、そうとも限らないですからね。人によって基準が違う場合がありますから。
「半ドン」もオランダ語と日本語の合成ですよね。(これは全国区!)
スペリングの見直しも、大多数が納得するのであれば、大きな問題にはならないのですが、今回は「より難しくなった」とか、「より論理的ではなくなった」との意見が多かったのです。
当用漢字の簡略化も、書きにくいとか間違いやすい漢字に独自性を持たせて、間違いないように・・・書きやすいようにとの配慮からですよね?その点では同じですが、結果が伴わずに、今回は国を二分してしまいました。(ちょっと大げさだけど)
スペリングの改定が終わったばかりですが、私はもう次の改定が楽しみです。(^^;; 白が勝つが、緑が勝つか・・・どうなるのでしょうかね〜。(^^;;
このスペリングの改定は、本当にオランダ人泣かせなんですよ!でも外国人は、それ程泣かないんです。(^^;;
理由のその1は・・・「それしか知らないから、そのまま覚える」、その2は・・・「オランダ人のスペリングの低下率」でしょうか。(^^;;
「オランダ人のためのスペリングコース」と言うのは、通信教育でも人気なようです。それだけスペリングがめちゃくちゃなオランダ人が多い証拠です。
ワードなんかのすぺりチェックを使うから大丈夫!と思っていると、ワードのバージョンが上がるのに関係なくスペリングの改定はされるので、スペルチェックをしても間違っていることは、多々あります。(^^;;
外国語の単語をオランダ語独自に言い直す・・・翻訳をするのは、ベルギーのほうがお得意だとか。オランダ人が翻訳すると、何か噛み合わせが悪いけれど、ベルギー人がすると、しっくり〜になるそうです。その点はベルギー人のほうが優れているようです。
やっぱりノルウェーでもスペリングの改訂はあるのですね。やはりたくさんの人が、泣いているのでしょうか・・・?(^^;;
よく考えると、表音文字のオランダ語では発音に合わせてスペルを綴るのが当然なんですよね。 日本でも、外来語は表音文字であるカタカナで書くけど、人によって綴りが違う事が多いですから。
例えば、「スチュワーデス」と「ステュワーデス」なんかです。(最近はフライトアテンダントを使うが。)
上で、リエさんが書いていることは、突き詰めると奥が深いです。
僕のブログの<中国語>北京奥林匹克(ページンオォリンピック)を参考にしてもらえば良いのだけど。(ちゃっかり宣伝か?) 北京奥林匹克と表記して、オリンピックを漢字で当て文字にしている場合と、北京奥運(ページンオォヨン)と表記する場合の二通りある。 後者は、もちろん意味を重視しているわけです。
この話、つまり表音文字と表記文字は面白いのでネタにしたいです。(ちゃっかり、自分のブログのネタかい。笑い)
ご自分のブログの宣伝をありがとうございます~~!!素敵な写真で、日本の情景を楽しんでおります。(^^;;
20年位前に、「V」の発音を、「ヴ」で表記しても良いとなったのを覚えています。外国語を自国語の表記で表現するのが難しいのは分かるんですよ。でもこのオランダ語のスペリング改定は、オランダ語の表記の仕方なんですよね~。何をもって「固有名詞」とするかとか、どんな時には複数にするかとか・・・。
その辺が理解できないので、私は一外国人として、ひとつずつまた覚えるだけです~。(涙)
日本では「ふさわしくない表現」としてスチュワーデスはCA(キャビンアテンダント)となり、看護婦は看護師、などと訂正されました。
日本語には「カタカナ表記法」というのがあります。「ブ」なのか「ヴ」なのか、例えばクリスマス・イブなのかイヴなのか、など正しい表現が決まってます。
出版・テレビ関係者向けの「放送・出版用語集」(←だったかな?)というのもあり、こちらにはす・べ・て載ってます。インターネットでも見れたと思いますが、ものすごい量です。日常では問われませんが、企業で報告書や、サイトでも何でも記事を書く人は調べた方が良いかもしれません。
以前「ロマ」に関するリーフレットを某団体で携わったときに、この「ふさわしくない表現」をサイトで調べ、ドイツの地名をカタカナ表記する際に「かたかな表記法」を調べました。5年前のことです。
オランダのスペリングが「どちらかに統一」と言うよりは、とある日を境に、書き方を変えないといけないの分けですよ。どっちが正しい・・・のではなく、古い書き方は間違い・・・となってしまいます。それが昨日までは正しくても。
変更をする理由としては、より簡素化、論理的とは言うけれど、実際には・・・?と、疑問も多く、今回は反論が多く、白いスペリングが出るほどだったわけです。
ドイツ語で言えば・・・たとえば今はクリスマスなので、その「クリスマス」をたとえにすると、Weihnachtenと書くけれど、「H」は発音しない・聞こえない音ですね。ならば・・・ということで、クリスマスは「Weinachten」にします・・・ということを、約10年ごとくらいにやっているわけです。
エスツェットやウムラウトをなくす・・・と言う動きは、もう20年位前に耳にしましたが、いまだに目にしますから、完全にはなくなっていませんよね。
その辺がオランダではもっと厳しいかな?
70代以上の方達は、ダブル母音で書いていた単語が多いのですが、今はシングル母音になっているものとかも多いです。これはやはり改定されたから。でも古い方達が自然と書くと、やはり子供の時の書き方になるとか。我が両親の世代と同じでしょうか。(^^;;
それでも、雑誌・新聞によっては、問題なく理解できるとか。難しいものになると、「置き換えないと分からない」場合があるようですけど。
日本だったら、古文と現代国語みたいな感じかと思ったら、また違うんですね~。デンマーク語が基準のノルウェー語と、音が基準の新ノルウェー語。少数派とは言え、同等に扱っているとなると、そのうちに立場が逆転したりするかもしれないですね。
オランダ語自体・オランダ人の話し方自体・・・あいまいな部分が多いのですよね。「どちらでも良い」と言っていたり、人によって違っていたり。その辺を統一させる意味もあるんでしょうが、混乱を導く場合もありますのでね。良し悪しでしょうか・・・?