日本で選挙があれば、私の記憶では大抵の場合、自民党が過半数を取れる状況が、かなり長いこと続いていたと思います。連立を組むといっても、簡単に相手は見つかっていたようにも思います。今の状況は・・・果たして同じなのかは・・・分かりませんけれど。(汗)
しかしオランダでは、一党で過半数を取れる・・・ということは、今までに起きていないということです。つまりは、いつでも連立政権。
オランダの下院の議席数は、何故か偶数の150議席。過半数は76になります。
11月22日の選挙の結果は、
キリスト教民主(CDA・・・現在の首相が所属の党) 41議席
労働党(PvdA・・・現在野党) 32議席
SP(ソシアルパーティーといことで社会党?) 26議席
VVD(現在連立を組んでいる) 22議席
その他もろもろ・・・
総合すると、左派の党を全部合わせると、右派の党よりも上回り、過半数になるとか、ならないとか・・・という結果でした。
その結果・・・
フェルドンク大臣が再度矢面に立たされたり・・・、などという状況が実際におき、不信任案も通過をしたわけです。
一党で過半数を取れないことが通常であるから・・・?が理由かは分かりませんが、選挙で最大議席を獲得した党・・・今回はCDAが「組閣が出来る権利」みたいなものを持つようです。ただし・・・相手探しをしないといけないわけですが。
この相手探しをするためのプロセスがあります。
オランダ語で「インフォマチュア(informateur)」と呼ばれる人が、国王・女王に使命をされます。この人が、各党の院内代表と個別に対談をし、どの党がどの党となら連立を組む気があるか、各党の政治的見解の差を越えて、どれだけ歩み寄れるか・・・というのを探ります。
五右衛門の記憶だと、一番長い時で8〜9ヶ月もがこの探り合いに費やされたことがあるそうです。
そして今回は、大勝利を果たしたSPが(議席数9から26へとなりました)労働党・グリューンリンクス(これも左派・・・7議席獲得))と連立を組むのでは?と思われたのですが、この3党では過半数に届かず(26+32+7=65のため)、後もう一党を巻き込むのか、または他の組み合わせにするのか・・・というのが焦点でした。
そして今日、「ほぼ合意」ということが発表になりました。組み合わせは、CDA(キリスト教民主)+PvdA(労働党)+CU(ChristenUnie・・・キリスト教連合とでもいうのかな?)の3党になるとのことです。
この「ほぼ合意」を受けて、今までのインフォマチュアから次のインフォマチュアにバトンタッチがされるようです。
理由は・・・?分かりませんが、きっと踏み込んだ話をするので、知識人を・・・ということでしょうか?
このほぼ合意を受けて、新しいインフォマチュアと3党の院内代表との踏み込んだ話し合いが持たれ、その話し合いの結果によれば、この3党で組閣・・・となるようです。
が・・・時期が時期だけに、その話し合いは新年が明けてから・・・とのことです。
私のちょっとした疑問として・・・
CDAは中道右派
PvDAは中道左派
CUは中道右派
だったはず・・・
どうして右派と左派が一緒に組閣できるのでしょうか?
これは私がオランダに来た当時の内閣・・・オランダ語で紫内閣と呼ばれていた時期と同じ状況です。
当時は、Pvdaが第一党で、VVDとD66とで組閣をしていたと記憶をしています。VVDが(中道)右派ですから、左右ごちゃ混ぜ状態。
「うちの党の公約のこの件を、なんとか認めてよ〜」
「それを認めてあげるには、うちの党のこれを認めてくれなきゃ、やだよ!」
って会話は、直ぐに想像がつきますよね〜。(^^;;
今回はどれだけの「見解の差」があるのか、はっきりとは分かりませんが、日本とは違った組閣の仕方での第一歩が出ました。
来年になったら、またどんな結果になるか・・・年明けが今から楽しみです〜。
(だんだん政治フリークになりつつあるかも!?)
双方の歩み寄りがうまく行けばいいのですが、政治には一癖二癖とありますからね・・・
年が明け、動向がどうなるか気になりますので、楽しみにしています〜☆
右と左が一緒の内閣なんて、やっぱり変ですよね~。ネゴシエーションこそが「政治の世界」とも五右衛門は言っています。果たしてどんな結果になるのか・・・楽しみなような、怖いような!?
そうなんですよ〜。全く違います。
国会討議もより民主的だし・・・というか、学級会をもっと大きくした感じといったほうが分かるでしょうか?・・・、みていて面白いです~。
それぞれのお国柄の出る政治の世界ですが、私はオランダの政治の世界が、何気に好きであったりします。(^^;;