2006年05月17日

波紋のその後



昨日は午後1時半から、ヒルシ・アリ女史本人による記者会見が行われ(ザルム大臣も党代表として同席)、今までの経緯とこれからの予定を発表しました。

分かってはいたことでも、オランダ語の表現で「ワニに涙」の状態での記者会見をされると、同情をする人が多くなったのでは?と思いました。(自分がうその申告をしていたと言う事実はおいといて、国籍を剥奪されたと言う事実のほうが大きくなりましたから。)

と同時くらいから・・・逆算をするとそれくらいの時刻になるのですが・・・国会諮問が行われました。

これは緊急生中継をされ、多分多くの人たちが、見たと思います。私も時間の許す限り見ました。でも最後は夜中の3時ごろでした。(^^;;
さすがに眠いし、オランダ語が良く分からなくなりました。


ただ見ていて思ったことは、フェルドンク大臣が所属する党VVDは別として、他の党は・・・与党でも野党でも、このフェルドンク大臣が48時間以内に国籍を剥奪した・・・ということを、上手く利用しているのでは?ということです。

その背景として



ヒルシ・アリ女史は、最初はPvdA(労働党)で活動をしていたけれど、あるときから鞍替え(党換え)をしてVVDに移りました。しかし、VVD党内では人気があっても、党執行部にとっては「厄介者」の存在になってしまったという事実があるようです。

と同じように、どうしても女性の大臣を任命したい組閣準備グループは、移民関係大臣に、どこから見つけてきたか?というフェルドンク女史を任命しました。党の方針として、移民に厳しい政策を取っていましたから、フェルドンク女史自身も、矢面に立つこともしばしば。その彼女が、48時間以内に剥奪したと言うことが、党内でも論議を呼んでいるようです。

フェルドンク大臣の言い分としては、「法律に則っただけ」ですが、「やり方・時期」があったのでは?との批判が。

またフェルドンク大臣は現在、VVDの代表に当たる地位の党内選挙に出馬していますが、党執行部はあまり良い印象を持っていないようです。自分の専門以外・・・移民関係ですが・・・無知をさらしている感じですので。

野党側としては、もちろん移民に厳しい政策に則って仕事をしているフェルドンク大臣を、あまり良くは思っていませんから、昨日の国会でも、厳しい追求をしていました。

フェルドンク大臣が、「他の選択はなかった」と言うのに対し、VVD以外の党からは、「他にも選択肢はあった。国会がそういっているのに、なぜないと言い張るのか?」というような追及を受けたわけです。
(国会のほうが、大臣よりも上の地位にあるため)

野党としては、フェルドンク大臣の判断を「間違いだ」として、批判・追求をしたわけですね。決してヒルシ・アリ女史に国籍を与えよ!と言っていたわけではありません。決断が早すぎた・・・ってところを、突っついたわけです。そしてフェルドンク大臣がどのように答弁をするか・・・、そこに注目が集まっていました。


そのために、第1回目の諮問では結論が出ず、2回目に突入。これが12時35分頃始まりました。(夜中ですよ!)

この2回目の諮問では、フェルドンク大臣が言葉に詰まる場面もあり、野党が追い込んだかのように見え、とても白熱していて、面白かったです。

白熱しても、全く終わらず、午前1時35分に2回目の諮問が終了し、午前2時から3回目の諮問が始まる予定でしたが、2時15分?2時20分頃まで始まりませんでした。

五右衛門の話だと、3回目まで諮問がすすむと、大抵の場合は「大臣の辞職」になるとか。今回「不信任案」は、野党の戦略で出さずに、フェルドンク大臣が自ら、「そうですね〜、他にも選択肢がありましたね〜」と言うのを待っていたようですが、言わなかったために、「投票」になりました。

その結果、フェルドンク大臣は、大臣のまま居座り(野党の意のまま)、国会の言うとおりに「他の選択肢を探す」作業をすることになりました。


オランダ語で「政治を実施する」と訳せる表現があるのですが(politiek voeren)、これは「自分の意図する方向に、相手を動かす」という意味合いが含まれているそうです。

昨夜の国会での諮問では、まさにそれを目の当たりにした感じです。


フェルドンク大臣は「正当なことをした」のかもしれないけれど、「正当化される」こととは話が別・・・ということでもありますね。
(Gelijk hebben en gelijk krijgen is anders.というようなことを、五右衛門は言っていました。)







posted by ニコラ at 10:54 | Comment(0) | TrackBack(1) | 政治の世界
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Tracked: 2006-05-19 15:05